インターネットの世界には有料版だけでなく、無料のウイルス対策ソフト、フリーのアンチウイルスソフトも存在します。
有料で売っているアンチウイルスソフトもある中、「無料」という言葉に飛びついてしまいがちですが、無料のウイルス対策ソフトには、メリットとデメリットがあります。
ここでは、無料のアンチウイルス対策ソフトについて解説します。
無料のウイルス対策ソフトは、なぜ無料?
ウイルス対策には、有料版だけではなく無料のアンチウイルスソフトもあります。
なぜ、無料か?というと
- 有料版機能を無料で試して確認してもらうため
というのが一番大きな理由になるかと思います。
また、無料版のウイルス対策ソフトには、広告を表示してその収益で最新のウイルスプログラムに対応するプログラムの開発費に充てる、というようなことをしているために無料で提供できる、ということになっているようです。
ライセンス・フリーのウイルス対策のメリット
無料のウイルス対策ソフトのメリットの一番は、「無料でウイルス対策が可能になる」ということです。
逆に言うと、デメリットは多々あるのに、これくらいしか無料のウイルス対策ソフトのメリットはありません。
無料ウイルス対策ソフトのデメリット
フリーのウイルス対策ソフトのメリットは、「無料である」というだけでしたが、デメリットは多々あります。
優秀な無料のウイルス対策ソフトもありますが、「安かろう悪かろう」で、機能的には問題なくても、インターネット上の様々な脅威を考えると無料版だけでは対応が難しいのが現状かと思います。
ウイルスにしか対応できない
インターネットを利用する上で、ご自身のパソコンやスマホに忍び寄るセキュリティ脅威というのは、コンピューターウイルスだけではありません。
- 詐欺、アダルトへの勧誘や、ウイルスを送付してくる「迷惑メール」
- 銀行などの金融機関のサイトと見せかけて、IDとパスワードを盗もうとする「フィッシングサイト」
- セキュリティホールを狙いパソコンに不正プログラムを設置する「スパイウェア」
などがありますが、無料のウイルス対策ソフトでは、「ウイルス対策」のみで、上記のようなコンピューターウイルス以外の脅威には対抗できません。
コンピューターウイルス以外の脅威に対しては、また別途対策する必要が出てきますので、それらの手間を考えると、一括でセキュリティ対策をしてくれる有料版のウイルス対策ソフトを導入したほうがメリットが大きいです。
最新のコンピューターウイルスへの対応が遅い
無料版は、機能制限として「ウイルスのパターンファイルの更新回数を制限する」というようなことを取り入れているフリーのウイルス対策ソフトもあります。
「ウイルスのパターンファイル」というのは、ウイルス対策ソフトで一番大事な情報で、このパターンファイルにウイルスの内容が登録がされていないとウイルスを防ぐことができません。
こうなると最新のウイルスに対しては、フリーのウイルス対策ソフトでは、全く利用する無意味になってしまいます。
本当に困ったときにサポートがない
有料のウイルス対策ソフトでしたら、電話相談サービスがついていたり、万が一、ウイルスに感染したとしても駆除に対してサポートがあったりしますが、無料ですと、このような本当に困ったときのサポートが無いケースが多いです。
ウイルスに感染してしまうと、自分がウイルス拡散者になる可能性が高くなるため、基本的にインターネットには接続できません。
無理に接続していると、遠隔操作事件のように勝手に爆破予告や、脅迫を行ってしまい事件になる可能性もあります。
一刻も早くネットから切断しないといけないので、ウイルスに対しての対処方法をネットで調べようとしてもできません。
このようなときに電話やメールサポート等がないのは、パソコンに対する深い知識が無い人にとっては、非常に困る事態です。
パソコンのWindowsやMacといったOSソフトのインストール・設定ができないレベル人は、無料ウイルス対策ソフトは、避けたほうが良いかと思います。
業務用に使うパソコン等では規約上、使えない
無料のウイルス対策ソフトは、規約上、仕事で使うパソコンでは使えないライセンスです。
インストール自体はできますが、使用許諾はしていない、ということです。
そうなっている理由は、仕事用のパソコンで利用していて、もしウイルスに感染して、損害が出た場合に、補償ができないからかと思いますが、逆に言うと、その程度の保護力しかない、ということになります。
広告が突然出てきたりする
無料ソフトですと利用してもらっても収益になりませんから、無料版の運用費用を賄うために広告が出たりするフリーのウイルス対策ソフトもあります。
インターネットを気持ちよく利用していると、突然、パソコンやスマホの画面に広告がでる・・・ということが起こりえます。
無料版は、あくまでも確認のためですから、早めに有料版を導入することが大事かと思います。
スマホの場合は、盗難・紛失対策がない
いまどきの有料のウイルス対策ソフトは、スマートフォン(主にAndroid)にも対応してます。
スマホ用の有料版のウイルス対策ソフトですと、盗難・紛失時にもGPSやネットワークを通じて位置を特定したり、アラーム音を鳴らせたりしますが、そのような機能はありません。
有料版のウイルス対策ソフトの中には、パソコンだけの利用ではなく、スマートフォン版も一緒に利用できるようなライセンス体系のウイルス対策ソフトもありますので、スマホを利用している方は、無料版より有料版のウイルス対策ソフトを導入するほうが何かと安心です。
旨い話には裏がある、無料の偽ウイルス対策ソフトの存在
「無料です!」とアピールして、実はそのウイルス対策ソフト自体が、ウイルスだった、というケースもあります。
よく名の知られたフリーのウイルス対策ソフトですと問題ないですが、インターネットの情報はウソも交じっていますので、ウイルス作成者が比較ランキングなどを作って素知らぬふりで拡散していることもあるようです。
ウイルス対策ソフトには、様々な検証機関がありますので、無料だとしてもそれらの信憑性のある情報を見てウイルス対策ソフトの導入を決められることをオススメいたします。
無料のウイルス対策ソフト
ある程度信頼性のあるフリーのウイルス対策ソフトをご紹介します。
AviraのAntiVirusFREE
AntiVirusFREEは、AntiVirusの無料版です。動作が軽く、すでに発見されているマルウェアをどれだけ検出するかのテストでは、フリーのアンチウイルス対策ソフトの中では一番優秀でした。
avast!
アバスト無料アンチウイルスは、ウイルス対策に優れたフリーウイルスソフトです。動作は、やや重いようです。
AVG アンチウイルス
AVG アンチウイルス 無料版は、AVG インターネットセキュリティの無料版です。動作は比較的重いようで、パソコンが高機能でないと使いづらくなる可能性はあります。
無料版でもパソコン最適化機能がついているのが特徴です。
KINGSOFT インターネットセキュリティ
中国製の無料のウイルス対策ソフトです。残念ながら、日本のネット上では、あまり評判は良くありません。
ただ、中国では日本向けの様々な詐欺広告を出して来たり、メールを送信してきたりしていますので、その手の内が判っているだけに、対策に強い可能性はあります。
中国の会社なので、信頼できるかどうかというのは、多少不安ですが・・・。
ちなみに中国製ソフトは、米国政府機関・軍事期間では使用禁止になっています。
Windowsなら、マイクロソフトのセキュリティエッセンシャル
マイクロソフトのウインドウズのVista以降を利用している場合は、そもそも無料のウイルス対策ソフトがインストールされています。
Microsoft Security Essentials (マイクロソフト セキュリティ エッセンシャルズ) です。
2015年7月14日までは、Windows XP版向けにもウイルスパターンファイルを更新してくれますので、XPのパソコンでも利用できます。
ウイルス対策のみを目的とする場合Windowsだとマイクロソフトのセキュリティ・エッセンシャルズが候補になるかと思います。
総合的なセキュリティ対策を期待できる有料のウイルス対策ソフトは?
フリーのウイルス対策ソフトでは、カバーできないセキュリティの脅威がありますが、有料版では、ウイルス対策だけでなく、その他の危険からもパソコン、スマホを守ってくれます。
有料版のアンチウイルスソフトは、ウイルスの検知力だけでなく、その他の脅威に対する安全性を競い合っていますので、お金を出した分だけの安心は十分得られるかと思います。
有料のウイルス対策ソフトは、たくさんありますが、いくつかご紹介したいと思います。
ウイルス検知力の実力が高い「ESET」
お金を出してウイルス対策ソフトを導入するのであれば、一番のお勧めは、大手プリンターメーカーのキャノン(Cannon)の子会社が日本の販売代理店を務めている「ESET」です。
「ESET」は、ウイルス検知の実力No1という声も多く、他のアンチウイルスソフトが発見できなかったウイルスも検知した実績があります。
また、一般的なウイルスパターンファイルを用いた検出だけではなく、怪しい動作をするプログラムを発見してウイルスと認定するなど、パターンファイルに含まれないウイルスの発見も可能な仕組みを取り入れています。
スマホやMacにも対応しているウイルス対策ソフトで、東大や警察庁も導入するなど、信頼性の高いウイルス対策ソフトです。
ウイルス発見力が高い「カスペルスキー」
ESETに次いで、検知力が高いという評判のウイルス対策ソフトが、「カスペルスキー」です。
あまり知られていないソフトですが、パソコンのセキュリティに詳しい人にオススメを聞くと、「ESET」とともによく名前が挙がってくるウイルス対策ソフトです。
知名度で選ぶなら、ノートン、ウイルスバスター
知名度で選ぶのであれば、古くからウイルス対策ソフトを販売している「ノートン」、「ウイルスバスター」というソフトがあります。
ただこの二つは、ウイルスパターンファイルでの検知が主ですので、未知のコンピューターウイルスに対しての検知力は、「ESET」「カペルスキー」に比べて低い可能性があります。